今年、宇治田原町が使えるお金は、町の歴史でいちばん大きくなりました。
令和8年度(2026年度)の一般会計当初予算は64億8,500万円。前年度より7億9,700万円、率にして14.0%の増です。3月26日までの町議会定例会で可決されました。
町の人口は8,483人(2026年7月1日現在・宇治田原町住民基本台帳)。単純に割れば、ひとりあたり約76万4千円。この数字が、私たちの1年にどう返ってくるのかを見ていきます。
まず、家計に直接効く3つ
予算書の中から、財布に直結するものを先に挙げます。
1. 小学校の給食費が「実質無償」に|2,411万8千円
物価高対策として位置づけられた事業です。町の資料には「実質的に小学校給食費の無償化を実施する」と明記されています。
国と府による保護者負担の軽減支援に町の補助を重ね、さらに給食費改定に伴う値上げ分も町が負担する、という組み立てです。中学校についても、値上げ分の補助が行われます。
小学生のいる家庭にとっては、年間で数万円規模の話になります。
2. プレミアム商品券|2,380万円
こちらも物価高対策の新規事業。町商工会が発行する「プレミアム商品券」の経費を町が補助します。
目的は「住民の生活支援と商工業者の活性化」。つまり、町内で使えば町内にお金が残る設計です。発行時期や購入方法は商工会・町からの案内をご確認ください。
3. 高校生のバス通学費に補助|2,352万5千円
高校・専修学校・各種学校に通う生徒の保護者に対する、バス通学費の助成です。
電車が通っていない宇治田原町では、高校進学と同時に交通費が家計に重くのしかかります。この町ならではの支援と言えます。
まちの「かたち」が変わる|億単位の事業
今年度の予算が過去最大になった理由は、施設と道路です。
- 総合文化センター改修/2億2,737万円 大規模改修が必要な状況となっており、緊急性の高い設備から計画的に改修
- 体育施設の集約化/1億6,443万円 トレーニングセンターの機能を移設・集約し、住民プール・トレーニングセンター棟を撤去、駐車場を整備
- 消防分署の大規模改修/8,990万円 京田辺市消防署宇治田原分署の長寿命化
- 道路施設の長寿命化修繕/7,809万円 橋りょう・舗装の計画的な補修
- 消防器具庫の整備/6,915万円 老朽化した消防団拠点の更新
- 道路台帳のデジタル化/6,181万円 公開型GISに掲載し、スマホからも閲覧可能に
- 町道の新設改良/4,005万円 生活道路の整備
- 京都府南部消防指令センター共同運用/4,012万円 府南部9消防本部での共同運用
- 宇治田原山手線・工業団地線/2,121万円
住民プールの撤去は、世代によって受け取り方が分かれるところかもしれません。
クマ対策は、3月の時点で予算に入っていた
8月に奥山田でツキノワグマが確認され、町が注意を呼びかけていますが、実はこの備えは3月の予算にすでに書き込まれていました。
有害鳥獣対策事業費/673万2千円(拡充)。野猿の追払いや侵入防止対策に加えて、「クマの出没要因を除去するとともに、緊急的なクマ出没に備えて緊急銃猟を実施する」と明記されています。
全国的な出没エリアの拡大を受けて、町が事前に手を打っていたことになります。
👉 関連記事:国道307号・奥山田でツキノワグマを確認。町が注意呼びかけ
金額は小さいが、効きそうな新規事業
数十万円、数百万円の事業にこそ、町の考えていることが出ます。
- 役場窓口のキャッシュレス決済導入(新規)/725万4千円 役場や各施設の窓口でキャッシュレス対応へ
- 地震ハザードマップの改定/817万8千円
- 避難所の資機材整備/804万8千円 大規模災害時の避難所生活環境の改善
- バス運転士の確保・応援事業(新規) 地域の移動を支える担い手対策
- うじたわら未来トーク 若者会議(新規)/52万円 若者が主体でまちの課題解決に取り組む場
- 拡大新生児スクリーニング検査費用助成(新規)/30万5千円
- 妊婦歯科健診(新規)/8万2千円
- 集会所等整備事業補助金/647万8千円 区・自治会の集会所の改築や修繕に
役場でキャッシュレスが使えるようになるのは、地味ですが日常の手間が確実に減る変化です。
そして今年、宇治田原町は70歳になる
予算書の最後のほうに、こんな事業がありました。
町制施行70周年記念式典開催事業費/405万6千円(新規)
宇治田原町が生まれたのは、1956年(昭和31年)9月30日。宇治田原村と田原村が合併して誕生しました。2026年9月30日で、ちょうど70年です。
町の資料は式典の狙いをこう書いています。まちづくりの礎を築いた先人に感謝し、これからの町の未来を「住民、事業者、行政が一緒になって考え、アイデアを出し合い、ともに創っていく契機」にする、と。
過去最大の予算と、70周年。偶然ですが、節目が重なった年です。
で、私はどうすればいい?
予算は「決まったこと」であって、待っていれば全部届くものではありません。手続きが要るものもあります。
- 小学生のいる家庭/給食費の扱いは学校からの通知で確認を
- 高校生のいる家庭/通学費補助は申請が前提です。学校教育課へ
- 全世帯/プレミアム商品券は数量に限りがあるのが通例。商工会と町の広報を要チェック
- 区・自治会の役員の方/集会所の修繕に補助メニューがあります
- 若い世代の方/「うじたわら未来トーク 若者会議」は、意見を言う側に回れる場です
予算書や「予算のあらまし」は、町ホームページですべて公開されています。イメージ図つきで、思っているより読めます。
問い合わせ先は、企画財政課 財政管財係(0774-88-6632)です。
76万円は、他人のお金ではない
「町の予算」と聞くと、どこか遠い話に聞こえます。
でも中身を開けてみれば、子どもの給食、高校生のバス代、通る道、消防車の車庫、避難所の毛布、そして役場の窓口です。全部、生活の話でした。
人口8,483人。ひとりあたり76万4千円。使い道を知っている人が多い町ほど、次の予算はよくなります。
給食費のこと、商品券のこと、まわりの誰かに教えてあげてください。
【出典】
・宇治田原町「令和8年度予算」/「令和8年度当初予算等重点施策事業一覧」
・宇治田原町ホームページ(人口・沿革)
・京都新聞「京都府宇治田原町の2026年度予算は過去最大 公共施設改修や道路整備の大型事業が複数」
※金額は令和8年度当初予算の計上額です。6月議会の補正(第1号)により、一般会計の補正後予算額は65億341万9千円となっています。
※「ひとりあたり」は一般会計当初予算を2026年7月1日現在の人口で単純に割った参考値です。
※情報は2026年8月8日時点。事業の実施時期・申請方法は町の公式発表をご確認ください。